FIX ルビーと幻獣のゴールドブローチ

２匹の幻獣が対峙するFIX社のゴールドブローチです。
FIXが当時用いたアールヌーボーの優雅な曲線様式で、鳥の獣グリフィンと有翼の獅子がにらみ合うデザインとなっています。その造形はFIX製品の中でもトップクラスの見事な仕上がりで、素晴らしい立体感に雰囲気、FIX社が誇る良質なゴールドプレートの輝きとまったくもって見事としか言いようがありません。グリフィンが咥えているのはおそらく合成ルビー（ブラックライトで鮮やかに蛍光します）。1900年初めに発明された合成ルビーをいち早く取り入れたところもまた、FIX社が時代の先端を行くジュエラーであった証でしょう。
下部の輪になっている部分はおそらくチェーンストッパーなどとして利用できるための物かと思われます。ピンは鉄砲式の収納できるタイプなので脱落の心配もありません。当時の金色の輝きもそのままに目立つ傷や凹み等もなく、当時の幻獣モチーフやFIXコレクターのかたにぜひともお勧めしたい逸品です。

＊FIXとはフランスはSAVERD et FILSという会社のブランドで、その後社名にもなった良質な金張りアクセサリーの名称です。従来のゴールドプレートよりも厚みがあり、耐久性が優れている高品質なジュエリーとして当時とても人気を博し様々な品が作られました。デザイン性の高さとその美しさから現代でもコレクターの多い品でもあります。

サイズ：縦横約3.4cm×4.6cm（ピン含まず）
重さ：約8g
素材：ゴールドプレート、ルビー（合成）
製造国：フランス
年代：1900年初頭頃