天使のシャトレーン香水瓶

滅多に出る事のない大変素晴らしい品、香水瓶のシャトレーンです。
その昔、自身を着飾るアイテムとして女性は腰からジャラジャラと小物をぶら下げておしゃれを楽しんでいました。起源は裕福な家を取り仕切る家政婦長が、鍵などを沢山腰にから下げている様を羨望としたことが始まりで、それが時を経てさまざまな小物をぶら下げるファッションとなりました。
メモ張やコンパクト、コインパースなど様々な物がありますがこちらのシャトレーンは香水瓶で、天使がモチーフとなっています。土台ブローチ部分のセンターに、少し俯き加減ではにかむようなクリクリ頭の天使、香水瓶の両サイドにも小さな天使がしっかり支えています。全体は曲線で優雅にデザインされたロカイユ文様で、立体的にかつ丁寧に彫られ素晴らしい造形となっています。まさに職人技の逸品です。
ブローチ部分のバックにシルバー900の刻印あり。ピンは重さのあるものをしっかり支えるために太目でがっちりした作り、フックは回転式で脱落しにくい物となっていますそのため落とすこともなかったのか、香水瓶には傷もありません。チェーンも花の細工が取り付けられ、小さな所までこだわり抜かれています。

香水瓶はよく栓を紛失しがちですが、こちらの栓は上部にチップがありますがオリジナルのまましっかり残っており、取り外しも可能で蓋の開閉もスムーズです。当時のオリジナルなのか後世の物かは不明ですが、気化しねっとりと凝縮された香水が残っておりクラシックな香りを楽しむことができます。栓と蓋をした状態で凝縮成分がしっかり残るくらい香水が気化するにはかなりの時間がかかるので、おそらく当時の物ではないか...それでなくともだいぶ古い香水であると推測します。

身に付けて見せる事が目的の品ですが、シルバー部分と香水瓶に大きな傷や欠損はなくとても素晴らしいコンディションで、この状態で現代に残っている事自体もまた素晴らしい、まさにコレクタブルな品です。

全体サイズ:縦約11cm×横約4.5cm
香水瓶:縦約5.5cm×横約3.7cm
素材:シルバー
購入国:イギリス
年代:1900年前後頃