ヴィネグレットのペンダント

大変珍しい、ヴィネグレットのペンダントです。
「ヴィネグレット」とは酢の意味で、アンティークヴィネグレットというと気付け用の物を指します。
透かし細工が施された内蓋の中に酢等の強い香りを染み込ませた綿などを入れ、気付けアイテムとして用いられました。当時の上流階級の持ち物のため数が少なく、大変希少なコレクターズアイテムとなっています。
厚く重く着飾ったドレスの締め付けにより気を失った淑女に、紳士がさっと懐から気付け薬の入ったヴィネグレットを出して介抱する。かよわい女性を演じそれを助けるという、上流階級の様式美なお遊びでもあったと言われています。
大抵のヴィネグレットとなると四角い小箱のような物なのですが、こちらは珍しく丸くデザインされたペンダントタイプとなっています。おそらく懐中時計のチェーンの先に付けられていたのではないかと思いますが、女性用のアクセサリーとしてもぴったりに、繊細で美しい彫りが両面に施されています。内蓋の中心部分の余白はおそらくイニシャルを彫るためのスペースなのでは思います。
現代では気付け薬として利用する人はほとんどないでしょうが、練り香水や、香水を含ませた綿などを中に入れて香りをお楽しみください。
ペンダントの合わせ面が少し浮き気味です(画像参照)。かかりはありますので勝手に開くことはありません。透かし細工の内蓋はカチリとしっかりしまります。読みにくいですがゴールドプレートの刻印が刻印が2つあります。
チェーンは付属しません。

サイズ:縦約3.9cm×横約2.8cm
素材:ゴールドプレート
年代:1800年末頃
購入国:フランス