ニエロ細工のコンパクトケース

銀のベースに模様を彫り込み、そこに銅や銀などを混ぜた黒色の合金を流し磨き上げるという技法のニエロ細工。黒金とも呼ばれます。
おそらくは嗅ぎ煙草入れだったのではないでしょうか。内側は金を被せたヴェルメイユで、銀に金を重ねた少し白みがかった金色の独特の風合いが大変美しく、ニエロのシックな黒から蓋を開くと輝く金色が目に飛び込んでくるその変化が楽しくもあります。蓋内側の側面とケース底面にフランスシルバーの猪頭の刻印があります。美しいカリグラフィーで文字が彫られているのもまたこのケースの歴史を感させてくれます。アンティークのコンパクトケースコレクターの方におすすめしたい品です。
蓋の蝶番部分、ふたつの内ひとつが外れていますがしっかり機能しています。また蓋をあけるツマミ等が元々からありませんので、爪でひっかけて開ける具合となっています。頻繁にご利用するなら蓋は軽く開けておいた方が良いでしょう。

サイズ:縦約6.8cm×横約8.1cm×厚さ約2.7cm
重さ:約65g
素材:シルバー
仕入国:フランス
年代:1900年前後